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米国マーケティングトレンド研究会 2023.07.25

アメリカでの日本アニメ人気を解説!日本製品のターゲットに、アニメファンを検討すべき理由

アメリカでアニメの人気が高まり、日本のアニメカルチャーが深く浸透しつつあります。そして日本のブランドがアメリカに進出するときに、このアニメファンを取り込むことも検討すべきマーケティング戦略の一つになっています。なぜこの層をターゲットにするのが良いのか、どのような人たちがいるのかを紐解きながら考えてみましょう。


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アメリカのZ世代に広がる日本のアニメ人気

アメリカにおいて、特に日本のアニメは2000年代初頭まで、ニッチなオタクカルチャーのなかに存在していました。ところが、ここ20年で人気が高まり、日本のアニメやアニメグッズの消費が大きく増え、アメリカは今や世界の中でも主要なターゲット市場となりつつあります。実際、アメリカ最大のアニメ・コンベンションと自称する今年のアニメ・エキスポでは、記録的な入場者数を記録し、ロサンゼルスの消防当局が混雑を理由に会場を閉鎖する事態となったほどです[1]。

(こちらの記事も参考に: なぜ日本アニメの実写化は失敗したのか?その裏にある日本アニメの本当の評価 )

中でもアメリカのZ世代は、この傾向が顕著です。アメリカのソフトウェア会社Techjuryが行った調査によると、アニメファンの平均は約24歳で、Z世代においてアニメを知らない人はわずか6%となりました [2]。

このように今や見逃せない存在となっているアニメファンは、日本のブランドや製品とも親和性が高いターゲット層と言えます。アニメを通じて日本の文化に触れており、好印象を持っているからです。そのため、アニメファンの現状やインサイトを知ることは、大きなビジネスチャンスに繋がる可能性を秘めています。

アメリカにおける日本アニメのファンの特徴。

アメリカ国内で日本のアニメであるセーラームーン、ドラゴンボールZ、ポケモンなどの番組がテレビで放映されるようになると、アニメファンの数は劇的に増加しました。そして2020年代に入り、その勢いはますます加速しています。

アメリカにおける日本アニメのファンのペルソナに関する興味深い事実をいくつか紹介します。

・白人はあまり関心がなく、ヒスパニック系とアフリカ系アメリカ人が好意的。

消費者インサイトを分析するStatista社の調査部が、民俗別のアニメ映画に対するアメリカ人の捉え方を調査しました。その発表データによると、調査対象となった4つの民族カテゴリー(白人、ヒスパニック系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、その他)のうち、白人カテゴリーはアニメに対して関心が低く、アニメ映画に対して好ましいと考えていると答えたのはわずか28%にとどまっています。対照的に、ヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人のカテゴリーでは 約40% が好意的な回答をしています。
アジア系アメリカ人が多く含まれる、その他のカテゴリーも40%以上がアニメに対して好意的です。

この調査結果が発表されたのは2020年1月で、COVID-19のパンデミックが起こる前のものです。パンデミックでロックダウンされていた期間、多くの人がNetflixなどの動画配信サービスを活用してアニメを見ていたことを考えると、現在ではもっと多くの人がアニメに関心を持っている可能性があります。

様々な日本のアニメがアメリカ人に人気がある。

日本で人気のアニメ全てが、海外でも人気とは限りません。「アンパンマン」「ドラえもん」「名探偵コナン」などは欧米ではほとんどグッズ化されていないのが現状です。

では、アメリカではどんな日本のアニメが人気なのでしょうか。

人気が高いのは、「NARUTO -ナルト- 」「呪術廻戦」「進撃の巨人」「デーモンスレイヤー」「ONE PIECE」「デスノート」といった少年マンガを原作としたアニメです。もちろん「ポケモン」も大人気で、アニメ以外のゲームやカードグッズも売れています。

女性向けでは「桜蘭高校ホスト部」が、いまだにカルト的な人気があります。


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なぜアメリカに進出したい日本製品は、アニメファンをターゲットにすべきなのか?

筋金入りの日本アニメのファンをターゲットにするのか、カジュアルな視聴者をターゲットにするのかの違いはありますが、日本製品がアメリカに進出する際に、この層にアプローチすることは戦略的に有効です。

・アメリカの日本アニメのファンはすでに日本製品を買いたいと思う素地があるから。

他のアメリカ人とは異なり、アニメファンは日本の一般的な商品、文化、食べ物について知見があり、そしてアニメを通じて日本の価値観を知り、自分で体験したいと感じています。例えば、おにぎり、ラーメン、メロンパンなど、アニメを象徴する食べ物は、アニメファンにとって一度は食べてみたいものです。

また、多くのアニメファンは日本へ旅行して日本文化を実際に体験したいと思っていますが、その手段や時間がないことが多くなかなか実現できていません。このような層は、アメリカ国内で買える本物の日本製品にお金を使いたくなる素地があると言えます。だからこそアニメファンをターゲットとして考えることは、アメリカでのビジネス戦略にとって大きな武器になるはずなのです。

・Z世代を中心とした若い層へのリーチができる。

アニメファンの平均年齢は約24歳のZ世代で、大学を卒業し、社会人となる年齢です。初めての一人暮らしをする人も多数いて、どんな家具を買うか、自炊でどんな料理を作るか、などさまざまな意思決定することが多くなっています。

この世代へアプローチすることは、若いうちから商品を知ってもらい、生涯顧客になってもらえる可能性を秘めています。

特に食品ブランドは、人気アニメのレシピを食材で再現したり、番組の名セリフを説明文に引用したりすることが効果的です。(もちろんこのような戦略を取る際には、著作権を侵害しないように注意する必要があります。)

まとめ:日本アニメのファンを取り込むマーケティング戦略。

日本製品がアメリカに進出する際に、アニメファンをターゲットにするという発想に対して、違和感を覚える人もいるかもしれません。アニメファンはまだニッチなターゲット層だと考える人も多いでしょう、

しかし、前述の通り、アメリカでもすでにアニメは大人までも魅了しており、メインストリームの娯楽になっています。また、熱狂的なアニメファンのパワーを侮ってはいけません。

まだアメリカ市場では知名度がない日本のブランドや製品を真っ先に受け入れ、日々の生活に取り入れたいと思わせるマーケティング戦略を一度検討してみてはいかがでしょうか。


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参照元

  1. Anime Expo Faces Fire Marshal Amid Record Attendance
  2. Anime Stats: How Popular Is Anime?
  3. Opinions on Anime Movies in the U.S. by Ethnicity

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