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米国マーケティングトレンド研究会 2025.03.12

寿司とカリフォルニアロール、アメリカの食文化への適応 /アメリカ進出成功シリーズ:寿司編

これから「アメリカ進出成功シリーズ」と題して、アメリカ進出に成功した物やサービス、企業など、ジャンルを問わず取り上げてご紹介していきたいと思います。アメリカ進出のサクセスストーリーを知ることで、これからアメリカ進出したいと考えている企業様の参考になりましたら幸いです。

記念すべき第一回は・・・「寿司」
今やアメリカでも知らない人はいないほど大人気の日本が誇る「寿司」ですが、一体いつ、どのようにアメリカで食されるようになり、どうやって今の「SUSHI」人気を確立したのでしょうか?今回はアメリカでの「寿司」を深掘ります!

記念すべき、寿司のアメリカ初上陸!

時は1900年、当時アメリカの南カリフォルニアに日本移民は200名程度しかいませんでした。しかし驚くことに20年後にはなんと15,000人を超える日本移民が暮らすようになり、そこから日本人コミュニティが形成され、寿司を含む日本食のレストランが出来たと言われています。[1]しかし、当時のアメリカでは生魚を食べる習慣がなく、寿司はごく限られた日本人コミュニティの中でしか楽しまれていませんでした。

アメリカの寿司革命、カリフォルニアロールの誕生

日本人だけが楽しんでいた寿司が、アメリカでも本格的に普及するきっかけとなったのが、1960年代にロサンゼルスで誕生した「カリフォルニアロール」です。中身の具材は、アボカド、サーモン、カニカマ、クリームチーズ、マヨネーズ、きゅうりなどを使用し、海苔を内側に巻く「裏巻き」スタイルは、海苔に慣れていないアメリカ人にも食べやすく、瞬く間に人気を博したと言われています。今も多くのアメリカ人にとって、最初に食べたことがある寿司は「カリフォルニアロール」であるそうです。[2]カニカマやアボカドを使用し、海苔を内側に巻く「裏巻き」スタイルは、海苔に慣れていないアメリカ人にも食べやすく、瞬く間に人気を博したと言われています。このスタイルの寿司はその後「ドラゴンロール」「スパイシーツナロール」などの創作ロールへと発展し、アメリカならではの寿司文化を築いていきました。ここまで有名になったカリフォルニアロールですが、誰が発明したものかは諸説あります。そのうちの1つは私たちのオフィスがあるOCにあるお寿司屋さんで、ご高齢の店主は「俺が発明したんだけどね」と言って譲りません。そして、このように主張する板さんがなんと多いことか。(笑)そういうわけで今となってはどの話が本当かはわからないというのが正直なところです。

生魚を食べること=「エキゾチック」な体験。そして寿司がじわじわと人気に!

カリフォルニアロール人気に拍車がかかっていても、生魚を食べる習慣は、なかなか広がりませんでした。しかし、1970年代になると、アメリカのインテリ層たちがが、こぞって食べるようになりました。そこから派生し「生魚というエキゾチックな食べ物を堪能できる富と文化を持っている」という名声に憧れたハリウッドスターやセレブリティの間でも、生魚が流行ったといわれています。[3] また、1980年代に入ると、日本の経済成長とともに寿司は高級料理としての地位を確立し「健康的で洗練された食事」として注目されるようになりました。また、この時期に多くの日本人シェフがアメリカに渡り、本格的な江戸前寿司を広めたことも、寿司文化の定着に大きく貢献しました。

そして寿司ロールがスーパーでも買えるようになる

1990年代から2000年代にかけて、寿司は高級料理だけでなく、より手軽に楽しめる食品としても広まりました。スーパーマーケットの寿司コーナーや、テイクアウト専門の寿司店が増え、今や日本以外の空港の食料品店にも寿司が売っています。ちなみに、スーパーで販売し始めたのは、1986年9月と言われており、最初はVONSというスーパーマーケットで、店内に寿司バーをオープンしたのが始まりだと言われています。[3]

現在の寿司人気と今後の展望

現在、アメリカでは寿司は単なるトレンドではなく、食文化の一部として定着しています。都市部ではミシュランの星を獲得するような高級寿司店が増える一方で、地方都市でも手軽に寿司を楽しめる環境が整っています。また、プラントベース(ヴィーガン)寿司や、サステナブルなシーフードを使った寿司など、多国籍国家のアメリカならではの、新たな寿司も生まれています。

寿司のサクセスストーリーから学べること

寿司の成功は、現地の食文化に柔軟に適応しながらも、日本の伝統を守るバランスが取れたことにあります。アメリカでは生魚を食べるなんて信じられないと思われていた時期も長くありましたが、アメリカ人でも食べられるように開発されたカリフォルニアロールや、生魚を躊躇なく食べられるようになった文化の広がりも相まって、今ではアメリカのどこでも食べられるくらいメジャーなフードとなりました。今後も寿司は様々なアレンジをされながら、アメリカの食卓に欠かせない存在として進化を続けていくでしょう。このような柔軟さが、アメリカ進出をする際に欠かせないキーワードだといえます。

次回の「アメリカ進出成功シリーズ」もお楽しみに!

ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から日本食のマーケティング、ブランディングを統合的に支援しています。アメリカ市場向けのブランディングやトレンド調査など、まずはお気軽にご相談からでも可能です。気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参照元

  1. すしの歴史(11) すしからSUSHIへ
  2. What is the true history of the California roll? The sushi has a fishy origin story
  3. April 23, 2019 How America Warmed Up to Cold Grocery-Store Sushi

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