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米国マーケティングトレンド研究会 2021.06.21

フェイスブック、メッセンジャーを利用しダイレクトなメッセージを送る新機能

毎年行われる、フェイスブック社主催の開発者会議「F8 Refresh」が米国時間6月2日に開催されました。コロナ禍のためオンラインで行われた会議で、フェイスブック社は自社のメッセージ機能「Messenger(メッセンジャー)」を活用した企業向けのダイレクトなメッセージを送る新機能を発表しました。

アメリカでメッセージアプリといえば、フェイスブックのメッセンジャー。

メッセージアプリといえば日本では「LINE(ライン)」が一番人気ですが、アメリカではフェイスブックのメッセンジャーが最も多く使われていると言われています。従来、一般人が友人や家族と連絡を取りあう目的で使われていたメッセンジャーですが、現在ではオンライン上でのカスタマーサービスの更なる円滑化目的として企業でも活用されることが多くなりました。

Eコマースと同時に需要が高まっているダイレクトなメッセージを送る機能。

メッセンジャーに限らず、コロナ禍でオンラインショッピングがますます主流になったことで、ECサイトで簡単にカスタマーサポートと繋がることができる「ライブチャット」(リアルタイムでカスタマーサポートとやりとりができる機能)や「チャットボット」(AIが自動で顧客からの質問などに返事ができるチャット機能)などのメッセージ機能の需要が増えています。

フェイスブックのグローバル調査では、64%もの消費者が「メールや電話よりもテキストを使って企業と連絡を取り合いたい」と答えているほど、今ではカスタマーサービスの一環として、メッセージ機能を活用することが欠かせなくなっているのです

企業が、フェイスブックメッセンジャーでできること。

フェイスブックメッセンジャーの利点は、無料で簡単にECサイトにも適応することができることです。メッセンジャーのビジネス利用例として以下があげられます:

  • 顧客の質問や相談にリアルタイムで答える。
  • 商品購入後のサポートやフォローアップを行う。
  • 顧客が興味を持ちそうなおススメ商品や新商品を画像も含めて提示する。
  • よくある質問の回答を予め設定し、それらの質問が来た場合に自動で返答できるようにする。

このように、ECサイトにメッセンジャー機能をつけることで、オンラインでもまるで自分が実店舗にいるような感覚でショッピング体験ができるようになります。そして、メッセンジャー機能を使い、顧客の質問や悩みをよりスピーディーに解決できれば、その分購入へのステップがぐんっと縮まるのです。その証拠として、同フェイスブックのグローバル調査によると、74%以上の消費者がブランドとメッセージでやり取りをしたあとにそのブランドの商品購入に至ったことがある、と回答しています

フェイスブック社が発表したメッセンジャーの新機能。

今月、フェイスブック社は開発者会議で全ての企業が利用できるメッセンジャーの新機能「Login Connect with Messenger(ログインコネクト・ウィズ・メッセンジャー)」を発表しました。

この新機能では、Eメールマーケティングのように、顧客が企業のメッセンジャーに「オプトイン(登録)」する選択ができ、オプトインをした顧客には、企業側からプロモーションや、新商品の告知、ニュースなどを送ることができるほか、一対一でダイレクトにメッセージを送ることもより簡単にできるようになります。

現在、数ブランドのみでテスト展開をしているこの新機能。その中のひとつであるオンラインファッションブランド「NewChic(ニューチック)」は、メッセンジャーを通してのセールスが、この新機能を利用し始めてから3.4倍増加したと言っています。そのため、近い将来はEメールマーケティングから「メッセンジャーマーケティング」にシフトする企業も増えることでしょう。

(フェイスブック社から)

近々インスタグラムでもメッセンジャーと同じ機能が追加される?

フェイスブックといえば、その傘下であるインスタグラムも忘れてはいけません。もともとインスタグラムはメッセンジャーとは違う「Direct Message (ダイレクトメッセージ、略:DM)」といった独自のメッセージ機能があり、とくに企業がフォロワーやインフルエンサーとアプリ内でコミュニケーションをとるのに利用されています。

が、近々このDM機能にもメッセンジャーと同じ機能が使えるようになることがフェイスブック社から発表され、企業と顧客のタッチポイントがさらに増えていくとして注目されています。

今後のカスタマーサービスやSNSマーケティング戦略として注目するべきフェイスブックの「ログインコネクト・ウィズ・メッセンジャー」や、インスタグラムが計画しているDMの新機能など、ますますこれらのプラットフォームからは目が離せませんね。

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