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米国マーケティングトレンド研究会 2021.12.16

Z世代とミレニアル世代は有名人よりインフルエンサーを信頼している

アメリカのマーケティングリサーチ会社・モーニング・コンサルト社は、ミレニアル世代とZ世代の興味深い傾向を明らかにしたレポートを発表しました。これによると、慎重に構築されたインフルエンサーマーケティング戦略がこれまで以上に重要になっています。

アメリカの市場調査会社モーニング・コンサルト社は、平均的なミレニアル世代とZ世代の「なにを信頼するか?」に関するレポートを発表しました。古い世代は、有名人による製品のお薦めを信頼していたかもしれませんが、同じ手法は若い世代の心にはそう簡単には響きません。ミレニアル世代とZ世代は、有名人よりもブランドを支持するインフルエンサーの意見に耳を傾ける傾向があります。では、その結果を詳しく見てみましょう。

市場調査によると、Z世代とミレニアル世代にリーチするにはインフルエンサーマーケティングが不可欠。

このレポートの中で最も重要な統計の一つは、Z世代とミレニアル世代の72%がインフルエンサーをフォローしているということです。大半は「いくらか」(両グループとも約50%)をフォローしていると回答しており、「多く」(約23%)をフォローしていると主張するグループは少数です。ティーンエイジャーは、Z世代やミレニアル世代よりも「多く」のカテゴリーに入る傾向があります。

これらの若い世代の88%は、購入を検討している製品について知る手段として、ソーシャルメディアを利用していると答えています。50%は、製品について知る機会が最も多い場所がソーシャルメディアだと答えています。また、56%が、フォローしている人が使っているのを見て商品を購入したことがあると答えています。7%が「よくある」と回答したのに対し、49%は「時々ある」と回答しました。

商品をすすめる際に最も信頼できる情報源は友人や家族ですが、インフルエンサーと有名人を比較すると、興味深い傾向が現れました。ミレニアル世代の50%がインフルエンサーを信頼できると考えているのに対し、有名人を信頼しているのは38%にとどまりました。Z世代では、52%がインフルエンサーを信頼すると答え、44%が有名人を信頼すると回答しました。

この違いは、多くのZ世代の有名人がソーシャルメディアで強い存在感を示していることに起因すると考えられます。Megan Thee Stallion(メーガン・ザ・スタリオン)やDoja Cat(ドージャ・キャット)など、多くの若いZ世代の有名人は、ライブストリーミングやツイートなどを頻繫に行っており、有名であるにもかかわらず、インフルエンサーのように振る舞っているのです。[1]

グローバル展開におけるインフルエンサーマーケティングの威力。

Facebook(フェイスブック)社が発表した最新の調査によると、インフルエンサーマーケティングは、2021年末までに138億ドルの支出に達すると予測されています。これには、大規模インフルエンサー(フォロワー数が数万人)とマイクロインフルエンサー(フォロワー数が数千人)への支出が含まれています。[2]

市場調査によると、インフルエンサーはニッチ市場への参入や新規顧客の獲得に不可欠であることが一貫して示されています。海外ブランドのように新しい市場に参入しようとする製品には、インフルエンサーマーケティングが欠かせません。

新しい市場、特に新しい国についての追加の調査は簡単ではありません。文化的なニュアンスを理解し、その国の言語で効果的にコミュニケーションをとり、現地の競合他社を打ち負かすのは、非常に困難なタスクです。こうした状況下においては、ニッチな分野で力を発揮しているインフルエンサーとコラボレーションすることで、費用と時間を大幅に削減することができます。

特に、アメリカのインフルエンサー市場は競争が激しく、あらゆる規模の企業が、あらゆる規模のインフルエンサーに投資しています。さらに、世界の他の地域のインフルエンサーと違い、アメリカのインフルエンサーは通常、コンテンツ作成の前に報酬を支払う必要があります。これは、インフルエンサーがより多様な支払いを受け入れる南米などの他の地域とは異なります。[3]

このような文化的な違いは、インフルエンサーと効果的なパートナーシップを築き、彼らの持つオーディエンスとつながりを持つ上で非常に重要です。強力なインフルエンサーは、ブランドの命運を左右する可能性があり、大手ブランドであっても、インフルエンサーのパワーと無縁ではありません。シャネルは、複数のインフルエンサーからクリスマスアドベントカレンダーの内容に失望したことを伝えられた後、公式に謝罪することを余儀なくされました。もしシャネルが、製品を受け取ったインフルエンサーたちの要望をよりよく調査していれば、このような事態は避けられたでしょう。 [4]

効果的なインフルエンサーマーケティング戦略を立てるには?

Z世代やミレニアル世代がインフルエンサーをフォローする理由には、以下のようなものがあります。

「見ていて楽しい」

「流行に敏感でいるため」

「面白いコンテンツを、よりパーソナルな場で提供してくれる」

これらはすべて、「なぜあなたはインフルエンサーをフォローするのが好きなのか」という質問に対する、調査に参加者した人からのコメントです。

インフルエンサーマーケティング戦略は、通常の広告キャンペーンや商品リサーチと同じように注意を払われるべきものです。自社ブランドのニッチな分野に適したインフルエンサーを見つけることは、ブランドの飛躍に不可欠です。特に、新しい市場や新しい国に進出しようとしている場合、インフルエンサーは現地のオーディエンスとつながるための最良の手法となるでしょう。

ブランドの推奨に関して、インフルエンサーは最も信頼されている人々の一人であることがデータで証明されているだけでなく、費用対効果も高くなっています。自社ブランドの価値観、商品、メッセージに合致するインフルエンサーを見つけることは、自社商品のオーディエンスを見つけることでもあります。自社商品に適切だと思われるインフルエンサーは、既に趣味嗜好が似ているフォロワーに支持されており、ブランドやエージェンシーがすべきことは、多くのリストからこれといったインフルエンサーを見つけることになります。

インフルエンサー・マーケティングは、ただ連絡を取ってコラボレーションをお願いするだけではありません。そのためには、ソーシャルメディアとインフルエンサー・マーケティングを専門とするエージェンシーと協力することが不可欠です。これらのエージェンシーは、インフルエンサーとの良好な関係を維持し、インフルエンサーがつくるコンテンツをクライアントのPR目的のために使用することの合法性を吟味し、ブランドとインフルエンサーの相性を保証してくれます。


参照元:

[1] The Influencer Report Engaging Gen Z and Millennials

[2] Facebook publishes new guide to influencer marketing and its rising benefit

[3] How to take your business global with influencer marketing

[4] Mock channel for underwhelming advent calendar

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