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米国マーケティングトレンド研究会 2022.02.15

アメリカ市場調査レポートから:Z世代・ミレニアル世代のブランドロイヤルティーにみられる傾向。

最近の若い人は、あまりブランドロイヤリティーを持たなくなっているようです。このことは、ミレニアル世代とZ世代を対象とした市場調査で明らかになりました。彼らがブランドロイヤリティーをもつきっかけになっているのは、製品の価格、品質、そして自分が顧客として大切にされていると実感できるかどうか、この3点です。

はじめに:

ミレニアル世代とZ世代が年を重ね、家族のための購買の意思決定をするようになった今、企業は、このデジタル時代においてどのようにすれば顧客のロイヤリティを得ることができるのかを探り続けています。ここでは、ミレニアル世代とZ世代のブランドロイヤリティーについて、コミュニケーション戦略を構築する際に留意すべき3つのポイントを紹介します。

ブランドロイヤリティーを支える要素とは?

調査会社Dynata (ダイネータ)が米国人1,000人に行った市場調査で、顧客ロイヤルティーに関する興味深い事実が明らかになりました。自分のニーズを理解してくれていると感じるブランドに対して、よりロイヤリティーを感じると回答した人が74%にものぼったのです。また、顧客一人一人にあわせようとしているブランドの製品を買いたい、と思っている人は64%でした。

また、別の調査では、ある特定のブランドに対してロイヤルティーを感じている人は、Z世代では46%に過ぎない、ということも分かっています。彼らが最も重視するのは製品の品質であり、品質が良ければそのブランドを使い続けるのです。ここで重要なことは、Z世代の43%が、製品について自分の意見を届けたいと思っているということです。このことは、そのブランドが自分のことを大切な顧客だと思っていてほしい、という気持ちの表れだと言えます。[1]

言い換えると、彼らを長期にわたり惹きつけるには、「自分にぴったりのブランドだ」と感じてもらえるかどうかが鍵になるということです。彼らのニーズとつながることが、これまで以上に重要なのです。

ミレニアル世代はブランドロイヤリティーをどう表すのか?

かつてミレニアル世代は、ブランドに対するロイヤルティーが最も高い世代だと考えられていたことがありました。それはソーシャルメディアの影響でもあります。企業がマーケティング戦略においてソーシャルメディアを重視するようになったきっかけはミレニアル世代でした。実際、世代ごとのブランドロイヤリティーを見てみると、ミレニアル世代は突出しています。[2]

顧客向けにデジタル施策を実施するTELUS International(テルス インターナショナル)社が実施した調査によると、ベビーブーマー世代、X世代、Z世代がリピート購入によってブランドロイヤルティーを示すのに対し、ミレニアル世代はリピート購入よりも家族や友人にブランドを勧めることでロイヤルティーを示す傾向が高めだということが分かりました。[3]

ミレニアル世代とZ世代は、体験を重視するという点では同じですが、ミレニアル世代は他の層とは異なる方法でブランドロイヤリティーを示す可能性があるということになります。このことは、ミレニアル世代に対するマーケティングの成果を測定する際に念頭に置いておく必要があります。

Z世代はブランドロイヤリティーが低く、コスト意識が高い?

2019年にZ世代1,800人に実施した調査によると、彼らは特定のブランドに対するロイヤルティーは高くなく、バリューを重視しているということが分かりました。60%が、ブランド選択の決め手になるのは価格だと回答しました。また、「同じ価値観を持っているかどうか」、「ソーシャルメディアでの存在感」、「友人からのおすすめ」などは、Z世代にとっての重要度がかなり低くなっています。[4]

パンデミックの間、Z世代は、デジタルとリアルの両方を使って買い物をしてきました。また、ミレニアル世代と同じように、新しいブランドを見つけて購入する傾向がありました。これは、パンデミック時にサプライチェーンの問題により、お気に入りの製品が欠品してしまっていたことが背景にあるとみられています。X世代やブーマー世代とは異なり、ミレニアル世代とZ世代は、お気に入りの製品の再入荷を待たずに他のブランドを試していたようです。[5]

つまり、サプライチェーンの問題で欠品してしまうと、顧客は入荷を待たずに他のブランドに切り替えてしまうということです。

結論

ブランドロイヤリティーは、若い世代ほど薄いものです。特に、そのブランドのマーケティングが表面的であるような場合、多くの若者はそのブランドに対して不信感を抱いでしまいます。

こうした若い世代にマーケティングを行う際に最も重要なことは、誠実であること、そして彼らに親近感を感じてもらうことでしょう。表面的な華やかさで取り繕ったり、本音を隠そうとしたりしてはいけません。ファンと本音で話し、製品やブランドをより良いものにするために一緒に努力しましょう。ファンに意見を求め、アンケートに答えてもらい、アイデアを共有しましょう。そして、ソーシャルメディア上での評判に耳を傾けることも必要です。また、彼らはコスト意識が高いので、複数の支払い方法を用意しておくことも大切です。

米国マーケティングトレンド研究会2022.02.08

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参照元

  1. https://nrf.com/sites/default/files/2018-10/NRF_GenZ%20Brand%20Relationships%20Exec%20Report.pdf
  2. https://www.inc.com/geoff-smith/millennials-becoming-more-loyal-in-era-of-consumer-choice.html
  3. https://www.galvnews.com/news_ap/business/article_5b8aa56e-4116-5b67-844c-05cea8f5adf4.html
  4. https://www.businessinsider.com/gen-z-shopping-habits-kill-brands-2019-7#:~:text=%22Gen%20Z%20wants%20to%20support,them%20and%20reflect%20their%20values.
  5. https://www.mckinsey.com/business-functions/marketing-and-sales/our-insights/survey-us-consumer-sentiment-during-the-coronavirus-crisis

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