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米国マーケティングトレンド研究会 2025.06.10

Kawaii文化を世界に発信するサンリオの人気を探る/アメリカ進出成功シリーズ(日本企業編)

「アメリカ進出成功シリーズ」と題し、これまで寿司やポケモンなど、ジャンルを問わずアメリカで成功を収めたモノやサービス、企業をご紹介してきました。今回ご紹介するのは、日本を代表するKawaii文化の象徴ともいえる「サンリオ」とそのキャラクターです!

世界中で愛される「ハロー・キティ」や「シナモロール」などの人気キャラクターたちが、どのようにアメリカ市場で受け入れられ、成功を収めてきたのかを振り返り、これから海外進出を目指す日本企業にとってのヒントを探っていきます。

サンリオのアメリカ進出の歩み

サンリオがアメリカ市場に本格的に進出したのは1976年。サンフランシスコに現地法人「Sanrio, Inc.」を設立し、海外初の直営ギフトショップ「サンノゼ・ギフトゲート」をオープンしました。

2000年代後半からはアメリカ市場向けの商品を現地で企画・デザインする体制が整い、さまざまなブランドとのコラボレーションが本格化します。そんな中、ハロー・キティの人気を後押ししたのが、マライア・キャリー、パリス・ヒルトン、ケイティ・ペリー、レディー・ガガといったアメリカのセレブリティたちの存在でした。これは寿司ポケモンのアメリカ人気にも共通して見られる現象ですが、やはり影響力のある著名人が支持することによる波及効果は非常に大きく、キャラクターの一般層への浸透を加速させました。

かつては、大人がキャラクターグッズを持つこと自体が、アメリカでは受け入れられにくい時代もありましたが、今ではむしろ自己表現として歓迎される時代になってきていますよね。タトゥーやポップカルチャーアイテムと同じように、「好き」を身にまとうことが当たり前になりつつあります。

1番の認知度&人気度で安定のハローキティは昨年50周年!

サンリオのキャラクターといえば、一番に浮かぶのは「ハロー・キティ」ですよね。2017年に「Kawaiiの代名詞キティちゃんのアメリカ進出。ローカライズ成功の秘密とは?」という記事を書き、あれから8年が経ちましたが、キティちゃんの人気は衰えることを知らず、今も大人気!我がオフィスの近くにも「ハロー・キティカフェ」があり、ラスベガスやバンクーバーでも営業中です。さらに、「ハロー・キティ・カフェ・トラック」もあり、アメリカ中を横断しながら営業中とのこと!

2024年に50周年を迎えたハロー・キティ、昨年はコラボレーションで大忙しだったようです。大人気歌手のブルーノ・マーズとコラボレーションを始め、若者に人気のカジュアルバッグブランドBAGGU、アメリカの高級家具・雑貨ブランドのPotter Barn、高級クリスタルメーカーのBaccarat、ファッションではFOREVER 21やBershka、スポーツブランドのNIKEとAdidas、スニーカーのCONVERSEなど、日本だけではなく全世界で有名なブランドのとコラボレーションを行い、いつも以上に様々な場所でキティちゃんを見かけるスペシャルイヤーとなりました。[1]

もちろん周年以外にもたくさんのコラボレーションを行っているキティちゃんですが、このようにどのようなブランドとも対応できるコラボレーションの幅広さと、シンプルながらにkawaiiの象徴となるキティの親しみやすいビジュアルで、今後もアメリカの人気者で居続けるのではないでしょうか。

キティちゃんだけじゃない!注目のサンリオ・キャラクターたち

華々しい人気のハローキティですが、サンリオのキャラクターはキティちゃんだけではありません!なんとLAに「ぐでたまカフェ」があるのをご存知ですか?ここは週末のみのオープンですが、2024年の5月にオープンし、オープニング日にはたくさんのぐでたまファンが押しかけ、満席の大人気だったようです。[2] ぐでたまはNetflixでGudetama: An Eggcellent Adventureが放送されて以降アメリカのファンを虜にしているようです。テクノロジーに囲まれて、豊かでもありつつストレスも多い今の時代、ぐでたまのやる気のない、ゆるいキャラクター設定が癒しとして、アメリカでも受け入れられているのではないでしょうか。[3]

アメリカのサンリオファンからの人気1位は意外にも・・!?

毎年行われているサンリオのキャラクター大賞。これは全世界で行われており、国によって人気キャラクターが異なるのが興味深く、私も毎年楽しく見ているのですが、アメリカで人気1位のサンリオキャラクターがキティちゃんではない、のをご存知ですか?2024年のアメリカサンリオキャラクター大賞の1位はシナモロール、2位はポムポムプリン、3位はチョコキャットという、結果でした。(ちなみにキティちゃんは9位)これは一般の方々の投票で決まるランキングなので、アメリカにいるサンリオのコアなファンの方々からの投票ではありますが、シナモロールの強さを垣間見た瞬間でした。シナモロールは他国でも1位を獲得することが多く、今後「第二のキティちゃん」として、グローバルな存在感を発揮していく可能性もあるのではないでしょうか?

世界を魅了し続けるサンリオとKawaii文化の未来

ハロー・キティをはじめとするサンリオ・キャラクターたちは、今や日本だけでなく、世界中で“Kawaii文化”を発信する存在となりました。アメリカ市場でも、その勢いはますます加速しています!

キャラクターを通じて自己表現を楽しむ時代。これからもサンリオは、「Kawaii」をキーワードにした文化発信でファンの心をつかみ続けていくのではないでしょうか。今後も注目していきたいと思います!

ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から企業のマーケティング、ブランディングを統合的に支援しています。アメリカ市場向けのブランディングやトレンド調査など、まずはお気軽にご相談からでも可能です。気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参照元

  1. サンリオのあゆみ
  2. 「ハローキティ」50周年、「カワイイ」魅力の謎と進化をたどる
  3. 20+ Unexpected Hello Kitty Collabs That Celebrate the Beloved Character’s 50th Anniversary

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