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米国では新型コロナウイルスワクチンの普及により、ほとんどの州が商業活動を全面再開し、いくつかの州ではマスク着用義務も解除するなど、少しずつコロナ前の生活に戻ろうとしています。これによって注目されるのがコロナ後の消費者行動です。1年以上続いたパンデミックでオンラインショッピングに慣れてしまった消費者を実店舗はまた取り戻すことができるのでしょうか。
アメリカ人消費者がコロナ後に一番楽しみにしていることは?
PYMNTS.comが2800人を超えるアメリカ人消費者に行ったサーベイによれば、「ワクチン接種後にしたいことは?」という質問に、29.6%が「友人や家族に会うこと」、18.8%が「映画やスポーツイベント、コンサートに行くこと」、16.5%が「国内旅行に行くこと」と回答しています1。
驚いたことに「実店舗でお買い物すること」と回答したひとは6.3%と一番少なく、「会社で働くこと」と答えたひと(7.3%)よりも下回っていたのです。この結果は、パンデミックでオンラインショッピングに慣れてしまい、以前よりも実店舗にいく必要性を感じなくなった消費者が増えたことを示しています。
パンデミック後、実店舗にいく消費者の目的が変わる?
しかし、今後Eコマースが完全に実店舗に取って代わるのか、といえばそうでもなさそうです。「ワクチン接種後にしたいことは?」という質問に、「友人や家族に会うこと」と答えたひとが一番多かったように、コロナ禍のロックダウンで友人や家族にも簡単に会えず、自宅で過ごす時間が長く続いたことにより、多くの消費者が外で友人や家族など「ひと」と交流する時間を求めています。
そのため、コロナ前は「欲しいものを探して買う」という目的で実店舗に訪れていたのが、コロナ後は「オンラインから離れて社会的交流をする」という目的でショッピングモールなどに訪れる消費者が増えると言われているのです。
とくにZ世代で「オンラインショッピングよりも実店舗で買い物することを好んでいる」と回答した81%の半分以上が「ソーシャルメディアやデジタル世界から自分自身を切断できるため」と話していることから、実店舗側は若い消費者の流入が今後とくに期待できるでしょう2。
コロナ後の実店舗でのマーケティングはどうあるべきか
このことから、実店舗はコロナ後に消費者が実店舗に行く理由があくまでも「商品を買うため」だけではないことを理解したうえで、今後どのようにして購入目的のない消費者を取り込むのかを考える必要があります。
ひとつの対策として、カスタマーサービスを良くするなどして、実店舗内のカスタマーエクスペリエンス(顧客経験)を向上させることが考えられます。商品を実際に手にすることや、店員から一対一でアドバイスを貰うことなど、オンラインでできない体験を充実させることで、デジタルに「疲れた」消費者の心をつかめるかもしれません。
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