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米国マーケティングトレンド研究会 2026.05.07

Trader Joe’sの2025年秋冬トレンドから読む、2026年ホリデー商戦

以前の記事「Trader Joe’s(トレーダージョーズ)に見る、日本食の海外展開のヒント」でもご紹介したように、米国の人気グローサリーチェーンTrader Joe’sには、アメリカの消費者トレンドを読み解くヒントが多く詰まっています。特に秋冬からホリデーシーズンにかけては、パンプキン、メープル、シナモン、ブラウンバターなど、季節感のあるフレーバーや限定商品が店頭を彩り、米国消費者の購買意欲が高まる重要なタイミングです。今回は、2025年秋冬にTrader Joe’sで注目された商品を振り返りながら、2026年のホリデー商戦に向けて、どのような食品トレンドが続き、どのように進化していくのかを読み解いていきます。

なぜ今、2025年秋冬の商品を振り返るのか。それは、米国の食品トレンドが突然生まれるものではなく、前年にSNSや小売店で反応が良かった要素が、翌年に少し形を変えて広がっていくことが多いからです。

Trader Joe’sのように、季節限定商品や小さな“発見”を楽しむ文化を持つ小売店は、米国消費者の気分を読むうえで非常に参考になります。単なる商品紹介ではなく、日本の食品ブランドが2026年の米国ホリデー商戦を考える際のヒントとして、ぜひご覧ください

1. プロテインパンケーキ:健康志向と手軽さの両立

まず注目したいのが、Trader Joe’sのプロテインパンケーキです。

Trader Joe’s公式商品ページでは、この商品はグルテンフリーのレシピで作られており、カッテージチーズ、卵白、卵などを使い、4枚入り1パックで20gのプロテインを含む商品として紹介されています。

プロテイン入り食品は、米国で引き続き人気の高いカテゴリーです。特に朝食やスナックの分野では、「おいしい」「手軽」「健康的」という3つの要素を満たす商品が支持されています。

このパンケーキも、すでに調理済みで、温めるだけで朝食になる点が大きな魅力です。忙しい朝でも、タンパク質をしっかり摂ることができる。さらに、小麦粉を避けたい人やグルテンフリー志向の消費者にも受け入れられやすい設計になっています。

Trader Joe’sでは新商品が頻繁に登場し、商品レビューを専門に行うSNSアカウントや生活者インフルエンサーが、そのたびに感想を発信しています。こうしたSNS上の口コミがきっかけとなり、特定の商品が一気に話題化するケースも少なくありません。

日本ブランドが米国市場を狙う場合も、単に「健康に良い」と伝えるだけでは不十分です。米国では、健康価値を日常生活の中でどれだけ簡単に取り入れられるかが重要なポイントになります。

つまり、プロテインパンケーキのような商品から見えるのは、単なる高タンパク食品の流行ではありません。米国消費者が求めているのは、「健康のために我慢する食品」ではなく、「いつもの生活に自然に入ってくる健康的な選択肢」なのです。

2. コールドフォーム:自宅で楽しむ“カフェ体験”

次に注目したいのが、コーヒーやラテの上にのせる「コールドフォーム」です。

日本ではまだ一般的とは言い切れないアイテムですが、米国ではスターバックスなどの影響もあり、コールドフォーム付きのドリンクはすでに身近な存在になっています。

Trader Joe’sでも、季節ごとにさまざまなフレーバーが登場しています。たとえば2025年秋には、「Salted Maple Cold Foam Creamer」が展開されました。Trader Joe’s公式では、この商品は期間限定商品として紹介されています。

私がアメリカで生活していて強く感じるのは、米国では「季節を楽しむ」ことが、消費行動と深く結びついているという点です。

ハロウィンやクリスマスの飾り付けだけでなく、食品、キッチン雑貨、日用品まで、季節ごとに売り場の表情が大きく変わります。秋になると店頭はオレンジやブラウン、パンプキン系の商品であふれ、クリスマスシーズンには赤や緑、ミント、チョコレート、ジンジャーブレッドなどの要素が一気に広がります。

その中で、朝のコーヒー習慣にも季節感を取り入れたいというニーズが高まっています。メープルやソルテッドといった甘じょっぱいフレーバーは、秋冬らしさを感じさせるだけでなく、自宅でも少し特別なカフェ体験を楽しめる点が支持されています。

ここで重要なのは、商品そのものだけではありません。消費者が買っているのは、単なるクリーマーではなく、「いつもの朝を少し楽しくする体験」です。

この視点は、日本の食品ブランドにとっても大切です。たとえば、抹茶、ほうじ茶、黒ごま、柚子なども、単に「日本らしい味」として売るのではなく、「朝の一杯」「夜のリラックス」「自分への小さなご褒美」といった生活シーンと結びつけることで、米国市場でより伝わりやすくなります。

3. メープル・ブラウンバター味アーモンド:健康志向の中の“小さなご褒美”

3つ目は、メープル・ブラウンバター味のアーモンドです。

Trader Joe’s公式では、カリフォルニア産アーモンドにシーソルトを加えてローストし、メープルブラウンバター風味のコーティングを施した商品として紹介されています。また、販売期間も9月から12月までの限定商品とされています。

ナッツは米国で人気の高いスナックカテゴリーです。タンパク質や良質な脂質を含むことから、健康志向の消費者にも受け入れられやすい一方で、フレーバー次第では“ご褒美感”のあるスナックとしても楽しめます。

この商品の面白さは、健康的なイメージのあるアーモンドに、メープルやブラウンバターといった秋冬らしいリッチな味わいを組み合わせている点です。

そのままおやつとして食べるだけでなく、ヨーグルト、サラダ、オートミール、アイスクリームなどのトッピングとして使える点も、米国のライフスタイルに合っています。

近年、米国では「little treat」という“小さなご褒美”消費の考え方も広がっています。日々の中で大きな贅沢をするのではなく、コーヒー、スナック、スイーツ、ドリンクなどで小さな満足感を得る消費行動です。

メープル・ブラウンバター味アーモンドのような商品は、まさに健康志向と小さな贅沢の中間にある商品です。罪悪感が少なく、それでいて季節感や満足感もある。このバランスが、米国消費者に響いている理由のひとつだと考えられます。

2026年ホリデー商戦はどうなる?続く流れと、変化しそうなポイント

では、2026年の米国ホリデー商戦では、どのような食品トレンドが見えてくるのでしょうか。

2025年秋冬のTrader Joe’s商品から見える「健康志向 × 季節感 × 手軽さ × 小さなご褒美」という流れは、2026年のホリデーシーズンにも続く可能性が高いと考えられます。

ただし、まったく同じ形で続くというよりも、少し進化していくはずです。

まず、プロテイン需要は引き続き強いトレンドです。Innova Market Insightsの2026年食品・飲料トレンドでも「Powerhouse Protein」が主要トレンドとして挙げられており、世界の食品・飲料消費者の約60%が、食生活の中でタンパク質を積極的に取り入れているとされています。

そのため、Trader Joe’sのプロテインパンケーキのように、プロテインを「特別なサプリ」ではなく、朝食やスナックとして自然に取り入れられる商品は、2026年のホリデー商戦でも引き続き注目される可能性があります。

一方で、今後は単に「高プロテイン」と訴求するだけでは差別化が難しくなるでしょう。食物繊維、腸内環境、植物由来原料、低糖質、満足感など、より総合的なウェルネス訴求へ広がっていくと見られます。Innovaも2026年のトレンドとして、プロテインに加えて「Gut Health Hub」や「Beverages with Purpose」などを挙げており、機能性の見せ方がより多層的になっていることがうかがえます。

また、コールドフォームやメープル系フレーバーのような「自宅で楽しむカフェ体験」も継続しそうです。2026年ホリデー商戦に向けては、コーヒー、ラテ、ティー、プロテインドリンク、機能性飲料などの分野で、「日常的だけれど少し特別」な商品が広がる可能性があります。

味の面では、2026年のホリデー商戦は、単なる「パンプキンスパイス」や「メープル味」から、より複雑なフレーバーへ進化していくと考えられます。

たとえば、Monin Americasは2026年のフレーバートレンドとして、甘さと塩味・旨味を組み合わせた“swavory”に注目し、味噌、ホットハニー、ヒッコリースモーク、トーステッドココナッツなどが、キャラメルやフルーツ系の味わいと組み合わされる可能性に触れています。

この点は、日本ブランドにとって大きなチャンスです。

なぜなら、味噌、醤油、梅、昆布、発酵食品など、日本の食材には、2026年のホリデー商戦で求められそうな「香ばしさ」「旨味」「甘じょっぱさ」「機能性」を自然に持つものが多いからです。

2026年のホリデー商戦に向けて、日本ブランドが意識すべきポイントは、大きく3つあります。

1つ目は、健康訴求を日常の食シーンに落とし込むことです。プロテイン、グルテンフリー、低糖質、発酵、腸内環境といった機能性は重要ですが、それを難しい説明で終わらせるのではなく、「朝食に取り入れやすい」「仕事中のスナックになる」「夜のリラックスタイムに合う」といった形で、生活の中の使い方まで見せることが大切です。

2つ目は、秋冬らしい香ばしさや甘じょっぱさを活用することです。メープル、ブラウンバター、キャラメル、シナモン、ナッツ、チョコレートといった米国で親しまれている秋冬フレーバーに、ほうじ茶、黒ごま、味噌、醤油、柚子、梅などの日本的な要素を組み合わせることで、親しみやすさと新しさの両方を出すことができます。

3つ目は、単なる季節限定味ではなく、体験として設計することです。米国消費者は、季節限定商品を通じて「今だけの楽しさ」や「生活の中の小さな変化」を買っています。したがって、日本ブランドも、ただ「秋限定」「冬限定」と打ち出すだけではなく、その商品がどのような気分や時間を作るのかまで伝える必要があります。

つまり、2026年のホリデー商戦でも、2025年と同じく「健康志向」と「小さな贅沢」は続きます。ただし、その表現はより複雑になり、単なる甘い季節限定フレーバーから、旨味・香ばしさ・発酵感・甘じょっぱさを組み合わせた“大人のコンフォートフード”へ進化していく可能性があります。

日本ブランドにとってのヒント

2025年秋冬のTrader Joe’s商品から学べることは、米国市場では「味の良さ」だけでは不十分だということです。

もちろん、品質やおいしさは大前提です。しかし、米国の小売市場では、それに加えて、どのような生活シーンで使うのか、どのような気分を満たすのか、なぜ今の季節に買いたくなるのかが重要になります。

たとえば、ほうじ茶であれば、単に「日本の焙煎茶」と説明するだけではなく、「寒い季節に楽しむ、香ばしく落ち着いたラテ体験」として提案できます。

味噌であれば、単に「発酵食品」と説明するだけでなく、「キャラメルやナッツ、チョコレートとも相性の良い、甘じょっぱい旨味素材」として見せることができます。

黒ごまであれば、健康素材としてだけでなく、「香ばしさ」「濃厚さ」「少し大人っぽいデザート感」を持つフレーバーとして提案できます。

柚子や梅であれば、酸味や香りを活かして、ドリンク、スナック、ソース、デザートなどに応用できます。

つまり、日本食材を米国市場に展開する際には、「日本らしさ」を前面に出すだけでなく、米国の消費者がすでに持っている食習慣や季節感とどう接続するかが鍵になります。

Trader Joe’sの強さは、消費者がすでに知っている味やシーンに、少しだけ新しさを加える点にあります。日本ブランドも同じように、現地の生活者にとっての“入り口”を作ることが重要です。

まとめ:2026年ホリデー商戦に向けて、日本ブランドが学べること

今回ご紹介した3つの商品に共通しているのは、健康志向、季節感、手軽さ、そして小さな特別感です。

2025年秋冬のTrader Joe’s商品を見ると、米国の消費者が求めているのは、単なる「おいしさ」だけではありません。プロテインやグルテンフリーといった健康要素を取り入れながらも、メープル、ブラウンバター、ソルテッドといった季節感のある味わいを通じて、日常に少しの楽しさを加える商品が支持されています。

そして2026年のホリデー商戦に向けては、この流れがさらに進化しそうです。プロテインやウェルネスの需要は続く一方で、味の面では、より複雑で満足感のあるフレーバーが求められるようになるでしょう。

甘いだけではなく、香ばしさ、塩味、旨味、発酵感、懐かしさを組み合わせた商品が、次の季節トレンドをつくる可能性があります。

これは、日本の食品ブランドにとって大きなチャンスです。日本食材には、前述した商品群のように、米国の消費者が今後求めるであろう「複雑さ」と「健康感」を自然に備えた素材が多くあります。

海外展開において重要なのは、単に「日本らしい」「品質が高い」と伝えることではありません。その商品が米国の消費者の日常のどのシーンに入り込み、どのような気分や体験を提供できるのか。そこまで設計することが、これからの米国市場で選ばれるブランドづくりにつながります。

ワイズアンドパートナーズについて

ワイズアンドパートナーズは、2002年創業の日米クロスボーダーマーケティングの専門チームです。食品・美容・日用品ブランドの米国進出から成長運用まで、戦略立案から実行まで一気通貫で伴走します。

市場調査、出店戦略、ブランディング、ローカライズ、デジタルマーケティング、販路開拓まで、日米双方の文化と商習慣を理解したチームが、米国市場で伝わるブランドづくりを支援します。

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参照元

  1. TikTok

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