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私たちアメリカに住む日本人にとって、日系のスーパーマーケットは文字通り生命線である。
オフィスのあるアーバイン市には、Mitsuwa Market Placeがあり、近隣にはTokyo Centralがある。
私がアメリカに住み始めてから20年の間に、YaohanがMitsuwaになり、MarukaiがTokyoCentralになった。
Tokyo Centralは、日本のドンキホーテであり、経営基盤が確かで安心できる。
いずれにしても、日系マーケットが存在し続けていることには、先人への感謝しかない。
あって当たり前だなんて思わないようにしたいものだ。
そんな日系スーパーマーケットに異変が起きた。
1ヶ月に1〜2回は、いずれかの店で買い物をするのだが、これまでそんなことは起きたことがなかった。
お菓子の棚から、カルピーのかっぱえびせんが消えてなくなっていたのである。
えー???
いつもは所狭しと何列にもわたって大袋が売られているのに、どこ?どこ?どこ?
しかし、本当になかった。完璧になくなっていて、手がかりもない。
嫌な予感がした。もしかして買い占め?
しかも、油揚げもないではないか。
日本の食料品を載せ、アメリカに渡ってくる船が入港できずに困っている。
15隻待ちとか、10隻待ちとか、最近、ビジネスの席ではよく聞く話。
船のコンテナの値段が、3倍からひどい時には10倍以上にも跳ね上がっている。
確かに、何隻もの巨大な船が海に浮いている姿を、ビーチから目にする機会が増えた。
それが、消費者のレベルにも影響がではじめたのかと思ったらぞっとした。
次の日に、もう一方の食料品店に行って、それは確信に変わった。
やはり、そこにもかっぱえびせんはなかった。嘘でしょ?
しかし、ここでパニックを起こしてはいけないと思い直した。
かっぱえびせんは、確か輸入ではなく、北カリフォルニアの工場でつくられているのではなかったのか?
トラックの車体に運転手募集の広告があるのを目にするようになったが、EC販売が急速に伸び、運転手が不足しているということが理由なのだろうか?
それとも、自身の給与より失業保険の方が高い人たちが、失業したまま現場復帰しないという社会現象のせいなのか?
これもよくビジネスの席で耳にする、アメリカならではのコロナ禍の負のトレンドである。
やはりまだ信じられなくて、さらに数日後に棚を見にいった。
あった! いつもの大袋はなく、中くらいのものが棚に並んでいた。
あー良かったと、胸をなでおろした。(が、いつものかっぱえびせんとは違うぞ!)
いずれにしても、かっぱえびせんがあったことだけを喜んだのではない。
日本食全体に欠品が起きてなくて良かったと、胸をなでおろしたのである。
船が着かないのは本当に参った。
ナマズが地震の前に騒ぐように、えびが棚から消えるのが日本食不足の予兆でないことを祈るばかりだ。
しばらくは、かっぱえびせんから目が離せない。
*もう少し詳しくお知りになりたい方は「アメリカ国内外のサプライチェーンの混乱とホリデー商戦への影響」を、ぜひお読みください!
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