Ys Blog

米国マーケティングトレンド研究会 2021.01.28

インスタグラムの新機能、リールは効果的?クリスマスキャンペーン結果報告!

画像:キャロル・フォー・ア・コーズのウェブサイトより[1]

TJMAXX(ティージェイマックス)、Marchalls(マーシャルズ)、Homegoods(ホームグッズ)の3ブランドが協業し、クリスマス向けにインスタグラムのリールコンテンツを使ったプロモーションを実施しました。キャンペーン終了後の結果を見てみると、リールを使用しキャンペーンに参加した人が一部いた一方で、通常の写真や動画を使ったコンテンツ数の方が多いことがわかりました。現在、リールの使用はインスタグラムにより推奨されてはいるものの、リール動画をユーザー自身が作ることは稀なようです。ホリデーシーズンが終了した今、一年で最も消費意欲が高まる時期に、さまざまなブランドがどういった認知度向上に関する企業努力を行なったのかを成果と共に振り返ってみたいと思います。

期間を通して最も興味深かったキャンペーンは、ティージェイマックス(オフプライスショップ)、マーシャルズ(オフプライスショップ)とホームグッズ(家具のチェーンストア)の3ブランドによる#CarolForACause(コーズのためのクリスマス・キャロル)キャンペーンです。このキャンペーンは、メーガン・トレイナー、ブランディ、ペンタトニックスなどのポップスターや、インスタグラムのメガインフルエンサーを通じてキャンペーン参加方法を紹介した後に、一般のインスタグラムユーザーにインスタグラムリールのコンテンツを作ってもらおうという企画でした。3つの巨大リテールブランドは、インスタグラムアカウントから投稿されたインスタグラムリール1本につき、慈善団体「Feeding America」に10ドルを寄付すると約束していました。[2]

注目すべき点は、そのキャンペーンの拡散方法と条件づけでした。IGTV、ストーリー、写真投稿を含む複数の種類の投稿に#CarolForACauseのタグ付けをしたものの、チャリティキャンペーンとして認めたのは、インスタグラムリールのコンテンツだけでした。

インスタグラムリールは、いま大人気となっているTikTok(ティックトック)に対抗する形でインスタグラムが新しく搭載した機能です。ティックトックの投稿の長さ制限が1分であるのに対し、インスタグラムリールは最大30秒であるなど、両者にはいくつかの違いがあります。インスタグラムは2010年に、ティックトックは2016年に米国市場に参入したばかりですが、どちらも月間平均10億人のユーザーを抱えています[3]、つまり、ティックトックは半分の期間でインスタグラムと同じだけのオーディエンスを獲得できたということになります。新型コロナウィルスのパンデミックはティックトックの人気をさらに高め、コロナウイルスが蔓延し、最初のピークを迎えた2020年春の半ばに20億ダウンロードに達しました。[4]

インスタグラムは、インスタグラムTV、インスタグラムライブ、およびストーリー機能(これはインスタグラムの競合他社であるSnapchat=スナップチャットに対抗して作られました)を既に持っていたにもかかわらず、この全く新しいビデオフォーマットを設置したことから、ティックトックをいかに脅威と捉えているかがわかります。

リール機能はまだ新しく、インスタグラムがその使用を促進するために、写真や通常のビデオよりも表示しやすくしています。[5]しかし、この傾向がどの程度続くかは不明であるため、マーケティング施策をインスタグラムリール中心にするのはやめておいた方が良いでしょう。[6]

ティージェイマックス、マーシャルズ、ホームグッズのインスタグラムリールでのコーズキャンペーンは、おそらく2つの理由で行われたと考えられます。1つ目は、上述したように、アルゴリズム的にリールのコンテンツが有利であること。2つ目は、逆に人々がリールを投稿せず、寄付をしなかったとしても、通常通り写真や動画にタグ付けされることで知名度を上げることができたからです。

MediaKix.comによると、このキャンペーンは、コラボレーションした有名人にクリスマスキャロルを歌う自分のリールを投稿するように依頼し、ハッシュタグ#CarolForACauseを使用してフォロワーに同じことをするよう依頼するという形で展開され、1,200万人を超えるインスタグラムのフォロワーをターゲットにしました。 キャンペーンは6週間続き、このコンテンツ全体の平均エンゲージメント率は10%で、ハッシュタグ付きの投稿が1908件生成されました。動画は合わせて120万回視聴されました。[7]

リールコンテンツがこれほどプッシュされたにもかかわらず、このキャンペーンからのUGC(ユーザージェネレ-テッドコンテンツ)の60%以上は写真または通常の動画からのものであったと報告されています。

マーケターがこのキャンペーンから得られることは、視聴者はインスタグラムのフィードにリールが表示されると喜んで見ますが、実際にリールを作るかどうかというと、実際には作る可能性ははるかに低いということです。これには様々な理由が考えられますが、主な理由はインスタグラムリールがティックトックほど直感的なUXを提供してないということです。最近になって編集が簡単にできるようにインターフェイスが更新されましたが [8]、#CarolForACauseキャンペーンは2020年の11月と12月に行われていたので、これらの新しいアップデートは、まだ一般にあまり知られていませんでした。00

今のところ、もしインスタグラムのフォロワーに対してにプレゼント企画やキャンペーンをしようと企画しているのであれば、リールの作成を依頼して拡散させるのは難しいと考えられるため、代わりに通常の写真投稿やタグ、フォローを頼むほうが効果的でしょう。もしくは、ティックトックでキャンペーンを効果的に行うにはどうしたらいいかを考えてみましょう。

[1] https://letscarolforacause.com/

[2] https://thesource.com/2020/11/17/brandy-carol-for-a-cause/

[3] https://wallaroomedia.com/blog/social-media/tiktok-statistics/

[4] https://www.thedrum.com/opinion/2020/05/27/how-tiktok-thrived-during-coronavirus-and-will-it-last

[5] https://www.backstage.com/magazine/article/why-actors-should-use-instagram-reels-to-build-following-71697/

[6] https://rebelinteractivegroup.com/blog/instagrams-latest-update-why-some-users-are-cancelling-the-platform/

[7] https://www.nytimes.com/2020/08/12/technology/personaltech/tested-facebook-reels-tiktok-clone-dud.html

[8] https://www.digitalinformationworld.com/2020/12/instagram-updates-reels-and-stories-to.html

前の記事
アメリカでSNS運用をする前に。大事な危機管理とは?

前の記事 米国マーケティングトレンド研究会 アメリカでSNS運用をする前に。大事な危機管理とは?

次の記事

次の記事 米国マーケティングトレンド研究会 アメリカではすでに実践されている、コンテクストマーケティングの重要性について

アメリカではすでに実践されている、コンテクストマーケティングの重要性について
アメリカからマーケターが来日し、不定期で勉強会を開催しています。ご興味がある方は、お問合せフォームよりご連絡ください。 | お問い合わせはこちら! アメリカからマーケターが来日し、不定期で勉強会を開催しています。ご興味がある方は、お問合せフォームよりご連絡ください。 | お問い合わせはこちら!

“米国マーケティングトレンド研究会”
最新の記事

New
ケースティファイの事例:ブランディングとパーソナライゼーションの力。
New
クラウドキッチンのブランディング事例から学ぶ、シンプルさの重要性。
New
清澄白河のコーヒー店に学ぶ!海外進出に欠かせないブランディングとは?