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最近、アメリカのスーパーや酒屋で、とあるアルコールドリンクを見かけるようになりました。パッケージには「MARU-HI」、カタカナで大きく「ハイ」と書いてある、東京の夜のネオンを感じさせるデザイン缶です。
気になって調べてみると、サントリー社がアメリカ市場向けに展開する「スパークリングカクテル・インスパイアード・バイ・トーキョー(Sparkling Cocktail Inspired by Tokyo)」というコンセプトのRTD(Ready To Drink)商品でした。ちなみにRTDとは、「Ready To Drink」の略で、開封するだけですぐに飲める飲料を指します。特に缶チューハイや缶カクテルなどの低アルコール飲料に多く見られ、手軽さが最大の魅力です。日本では、コンビニやスーパーでの取り扱いも増加していて、レモンサワーやハイボールなど多彩なフレーバー展開されていますが、アメリカで今急成長中のカテゴリーとして注目されています。
今回のブログでは、そんなRTD飲料を深掘りしていきたいと思います!
アメリカでもRTD市場の急成長
日本では当たり前のRTDですが、アメリカでは、近年急速に成長しており、特にアルコール入りRTD(RTDスピリッツ)や機能性飲料が注目されています。2024年、RTDカクテル市場は約9億340万ドルの規模を持ち、2025年から2030年にかけてさらに成長が見込まれており、2030年には、21億1370万ドルに達すると予測されています。[2][3]
この背景には、自宅で手軽におしゃれなドリンクを楽しみたいというライフスタイルの変化や、外食機会の減少に伴う家飲み需要の増加が考えられているのですが、このタイミングで登場したのが、サントリーの新商品「MARU-HI」です!2025年カリフォルニアでの発売を皮切りに、2026年には販売地域の拡大を予定しているとのこと。[4] Z世代やミレニアル世代の間では、エスニック文化や新しい味への好奇心が高まっており、日本発のRTDはそうしたニーズと合致していると言えるでしょう。こうした流れを見ると、日本のアルコールメーカーがアメリカ市場に進出するのは、今が非常にタイムリーなタイミングかもしれません。
アメリカで人気の「RTD」飲料はどんなもの?
そんな盛り上がりを見せるアメリカのRTD市場では、実際にどのような商品が人気なのでしょうか。アメリカで売れているRTD飲料をご紹介していきたいと思います。
Surfride
2023年、最も急成長を遂げたRTDとして注目を集めたのが「Surfside(サーフサイド)」です。このブランドは、プレミアムウォッカとお茶を組み合わせたフレーバーが4種と、プレミアムウォッカとレモネードを組み合わせたフレーバーが4種の計8種の展開で、1缶たったの100カロリー、砂糖はわずか2グラム。共同創設者のパパス氏は、「アメリカでは、お茶やレモネードがノン・アルコール飲料として非常に人気だが、スピリッツでこの味は意外と出ていなかった」と語っています。さらにアルコール度数が4.5%なので、ビールのように飲みやすいのが特徴的です。[5]パッケージデザインも、最近のアメリカの飲料業界で流行っているノスタルジックでレトロなデザインが取り入れられ、これは以前ノンアルコールドリンク市場の最新トレンド「機能性炭酸飲料」とは?で取り上げたPoppiでも見られたトレンドです。
JUNESHINE
コンブチャをベースにしたアルコール飲料で、オーガニックの材料にこだわっており、本物のフルーツ、緑茶、オーガニックのスパイスを使って作られています。人工甘味料や砂糖は使われておらず、すべて天然素材にこだわっています。ラインナップは、クラシック・テキーラ・マルガリータ、トロピカル・ラム・マイタイ、パッションフルーツ・ウォッカソーダなど、人気のカクテルをベースにしたフレーバーが用意されています。近年増えている、高アルコールRTD市場に対し「添加物や栄養表示が不透明である」という課題を指摘し、それを解決する”透明性”をキーワードにした商品設計で差別化を図っています。ノンアルコールドリンク(コンブチャ)も販売しており、フレッシュで女性ウケしそうなデザインが特徴です。
アメリカ市場でのさらなる可能性
今回、日本の飲料メーカーが「MARU-HI」といったアメリカ限定の商品で市場に参入したことは、日本の飲料業界全体にとっても注目すべきことではないでしょうか。日本のウイスキーや日本酒がアメリカでも人気の今、RTDのカテゴリーでも人気になるポテンシャルが大いにあると感じています。RTD市場という“波”が来ている今こそ、日本ブランドが世界に飛び出す絶好のタイミングです!
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から企業のマーケティングを支援しています。アメリカ市場向けの調査や新商品開発、ブランディングから販路開拓まで統合的な支援が可能です。初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
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