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独自コンセプトで差別化を図るスーパー、「Trader Joe’s (トレーダージョーズ)」
ユニークな商品展開で、アメリカで独自のポジションを確立しているスーパーマーケット、Trader Joe’s(トレーダージョーズ)。全米に展開している人気のこのスーパーは、オーガニックやヘルシー志向の商品を手ごろな価格で買えるだけでなく、独自のブランディングや商品戦略でも注目されています。在米の日本人の間では「トレジョ」と略されることも多く、日本でも街中でTrader Joe’sのトートバッグを持っている方を見かけますよね。お店に行ったことはなくても、名前を聞いたことがあるという方は、多いのではないでしょうか。
Trader Joe’s が独自のポジションを確立している理由はたくさんありますが、中でも特に注目したいのが、オリジナル商品の企画、開発力と、売場での演出です。
商品名やパッケージのデザイン、店頭のポップ、スタッフの接客に至るまで、世界観がしっかり統一されていて、他の大手スーパーとはひと味違う店舗体験が楽しめます。
全米に608店舗ありますが(2025年5月現在)どの店舗もアットホームな雰囲気で、誰でもウェルカム!という空気が漂っています。
日本食がアメリカに馴染むネーミングの工夫がされたTrader Joe’sの商品
Trader Joe’sでは、世界中の食材が並んでいるのですが、ここ数年でアジア系の商品がどんどん増えてきています。中でも日本食を意識した商品が非常に増えてきている印象です。これはアメリカでも、家庭で日本食を食べることが広まりつつあることを表しているのかもしれませんね。
その日本風の商品ですが、Trader Joe’sでは、「Trader Joe-san(トレーダージョーさん)」という名前がついており、アメリカ人にも“日本らしさ”を分かりやすく伝える工夫がされています。このようなネーミングは、日本食をアメリカ人にとって親しみやすい存在にするための工夫と言えるでしょう。他にも、メキシコ系は「Trader Jose(トレーダーホセ)」、中国系は「Trader Ming’s(トレーダーミン)」のように、その国に合わせた“名前”がつけられています。遊び心があり、工夫したネーミングがされています。
では、そんな魅力たっぷりのTrader Joe’sで実際に売られている“日本風”の商品をいくつかご紹介しながら、アメリカ市場でのニーズや反応、そして今後の商品開発のヒントを探っていきます。
アメリカでこれから流行る日本食とは?人気の日本風商品から見る海外の反応と今後の展開
1. ミニたい焼き(冷凍) 冷凍スイーツ市場における和風デザートの浸透
最近登場した冷凍のミニたい焼きは、Trader Joe’sの新商品の中でも特にSNS上で話題となりました!中身はアメリカ人にも親しみやすいカスタードクリームで、オーブンで温めると外はカリッと、中はしっとりとしており、日本人も満足の美味しさです。
アメリカ市場ではまだ一般的とはいえない“和風スイーツ”カテゴリーですが、たい焼きの形状のユニークさと、小さめの食べやすいサイズが受け入れられ、親御さんを中心に人気の商品です。たい焼きは、その名の通りの可愛らしいビジュアルが特徴的で、SNS上でも多くの方々が自発的に投稿している様子が見られました。こうした自然発生的な投稿が、まるで広告のように広がっており、アメリカでも“映えスイーツ”の大切さを改めて実感しました。
たい焼きに限らず、和スイーツはアメリカではまだニッチな存在ですが、すでに抹茶が定番フレーバーとして浸透していることを考えると、今後さらに和スイーツが広く受け入れられていく土台はできつつあると感じます。
特に、たい焼きのように見た目で楽しめる商品に関しては、注目度が高まるのではないかと予想しています。
2. Shrimp Tempura – 人気の日本食メニューの「冷凍惣菜化」
長年にわたり海外で人気の日本食メニューの一つが、エビ天ぷら(Shrimp Tempura)ですが、その冷凍食品も非常に人気です。衣の食感やエビのボリューム感など、冷凍食品でありながら日本の味に近い再現度の高さが特徴です。アメリカのお家に備え付けられている大きなオーブンで焼けば完成なので、揚げなくても良い手軽さが売りの、人気の商品です。前述したミニたい焼きも冷凍食品ですが、Trader Joe’sは、冷凍食品が非常に豊富で、餃子やチャーハンなども日本風で作られているものがあります。温めれば完成するので、アメリカ人が持っている「日本食は作るのは難しそう」というイメージを払拭し、日本食を家庭で食べるハードルがグッと下がりますね!
3. 星型ざらめ煎餅(期間限定) – スナック菓子市場での“和風+遊び心”
Trader Joe’sといえば、期間限定の商品が非常に多く、シーズンによって毎回販売される人気限定品もありますし、シーズンに合わせた新商品として販売される商品も多くあります。過去にクリスマス時期に期間限定で販売された、星型ざらめ煎餅は、甘じょっぱい味付けと軽い食感で、クリスマスのため星型というユニークな形状が特徴です。米菓はTrader Joe’sのレギュラー商品で売られていますが、このように可愛らしい形で、欧米の消費者にも親しみやすく、ホリデーシーズン向けのスナック菓子として訴求されると、食べたことのないアメリカの消費者も手に取りやすいですよね。私もTrader Joe’sで購入した際に、店員さんに「これ、僕が食べたライスクラッカーの中で一番美味しかったよ!」とおすすめされ、楽しみにしていたのですが、日本でよく食べたことのある親しみのある、ざらめのおせんべいでした。
まとめ:Trader Joe’sから読み解く、日本食の海外展開のヒント
Trader Joe’sの日本風商品を見ていると、アメリカで日本食がどんなふうに受け入れられているのか、その変化がよくわかります。単なる“輸入食品”ではなく、アメリカのライフスタイルに合わせてアレンジされたオリジナル商品である点に、日本食を海外展開する際のヒントが隠れています。アメリカ市場で成功を目指すなら、Trader Joe’sの商品から学べることは多いかもしれません。
Trader Joe’sは、単なる販売チャネルではなく、市場の食トレンドを映すショーケースでもあります。今後の商品企画や進出戦略のヒントとして、定期的にチェックしていきましょう!
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から企業のマーケティングを統合的に支援しています。アメリカ市場向けのブランディングや消費者調査、商品需要性調査、商品のローカライゼーションなど、まずはお気軽にご相談からでも可能です。気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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