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米国マーケティングトレンド研究会 2022.01.18

米国市場調査:ミレニアル・Z世代はダイエットを好まず、健康志向

アメリカのZ世代とミレニアル世代を対象とした市場調査によると、「ダイエット」という言葉がかなりネガティブに捉えられていることがわかりました。これらの年齢層では、身体の健康には気を遣っているものの、ダイエットという考え方は好まないという人が増えており、体重を減らすことだけにとらわれない、ホリステックな「健康」を重視しています。

はじめに

英語圏の新たな市場調査から、ミレニアル世代とZ世代は「ダイエット」という言葉に興味がないことがわかりました。

最近、Z世代とミレニアル世代に特化した市場調査会社Ypulseが、この2世代のダイエット習慣に関する新しいデータを発表しました。57%が「食事は制限なし」、つまり食事量を積極的には気にしていないと回答しています。また、「ダイエットをしている」と答えた人は約13%、「カロリー計算をしている」と答えた人は14%にとどまりました。[1]

Z世代とミレニアル世代の間では一般的に、ダイエットはかつてのように望ましいものとは考えられておらず、その代わりに、「痩せること」から「健康であること」へと焦点が移っているという特徴がみられます。

なぜZ世代とミレニアル世代はダイエットが嫌いなのか?

ダイエットという言葉がこれらの年齢層に好まれないのには、さまざまな理由があります。しかし、最大の理由は、減量神話に関する新しい研究とボディポジティブ運動です。

まず、減量に関する新しい研究について。過去20年間に多くの書籍や専門家が、ダイエット文化の背景にある科学の多くは間違っている、あるいは誤解されていると発表しています。BMIのような多くの指標は、個人の健康状態を推し量る上で不正確であったり、不必要であったりすることが明らかにされています。一般的に、ダイエット文化は「不健康なライフスタイル」と結び付けられるようになってきています。[2]

二つ目に、ボディポジティブ運動によって、ダイエットは否定的なものとみなされるようになりました。科学者や栄養士が「平均的な」体重だけでなく、さまざまな体重で健康になれるという研究を発表するようになり、ダイエットをするのは美しくなるためだけだと気づく人が増えました。痩せた体でなくても美しくなる方法はたくさんあり、ダイエットよりもずっと簡単で、安上がりです。つまり、ボディポジティブのムーブメントはミレニアル世代で生まれ、Z世代まで続いているのです。

この2つ(他にもたくさんありますが)の理由で、「ダイエット」という言葉はアメリカの若者に大変不人気になっています。実際、不人気どころか、あるコミュニティでは不健康とほぼ同義語になっています。

Z世代とミレニアル世代の食わず嫌いに対応するブランド。

こうしたこだわりを持つ年齢層にアピールするため、大手ブランドは商品の販売方法を変えています。これには、PepsiCo(ペプシコ)のような大手企業も含まれます。北米ペプシコのCMOでさえ、「若い人たちは『ダイエット』という言葉が好きではない」「最近のZ世代はダイエットをしたがらない」と語っています。[3]

ちなみに、最近、ペプシコはソーダ缶の「ダイエット」の文字を「ゼロシュガー」に置き換えると発表しました。

ペプシコは、ペプシマックス、マウンテンデュー、その他の系列の飲料の「糖分ゼロ」バージョンを発売しています。カナダドライ、セブンアップ、サンキストなどの他のソフトドリンクブランドもこれに追随しています。[4]

そして、これは食品ブランドだけではありません。ソーシャルメディア企業も、これらの世代の声に耳を傾け、それに応じて行動しています。Pinterest(ピンタレスト)は、ボディポジティブでないダイエット広告を禁止した最初のソーシャルメディア・プラットフォームになりました。これは、ユーザーがサイト上でクリエイティブなインスピレーションを探しているときに、自分のボディイメージを心配する必要がないような、ポジティブな環境を作ることが目的です。[5]

食品ブランドはZ世代、ミレニアル世代に向けたマーケティング方法を見直すべき。

Z世代は、食について考える時間が長くなっています。2018年の調査によると、Z世代は何千時間も食べ物について考えていることがわかりました。その同じ調査では、10代の希望が毎週の食料品代金の約30%を動かしていることがわかりました 。[6] 家族が買うものに対して、 Z世代が持つ影響力は強いのです。さらに、最年長のZ世代が20代半ばになり、自分で食品を買うようになったという事実もあります。そのため、この世代の流行語やタブーワードも把握しておくことが重要です。

食品会社は、製品がいかにダイエットに適しているかを重視するのではなく、製品がいかに全体的な健康や幸福を促進するかを重視すべきです。商品の低カロリーという側面に注目するのではなく、その商品が顧客にどのような感情を与えるかに注目するのです。なぜ、この食品を食べると、顧客の健康にプラスになるのか? そして、なぜ、幸せな気分になれるのか? それらは、Z世代およびミレニアル世代に、その食品を試してみるべきだと説得する材料になります。

Wellness Instituteによると、減量、健康的な食事、栄養は2025年までに1兆2千億ドルの産業に成長し、毎年5%成長すると予想されています。ダイエットという言葉はもはや一般的ではありませんが、食について考え、何を食べるかを意識することは今後も変わることはないでしょう。そのため、食品ブランドは、こうした若い世代に対してどのようなポジショニングをとるかを常に考えておく必要があります。

米国マーケティングトレンド研究会2021.12.28

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参照元

  1. https://wwd.com/beauty-industry-news/beauty-features/wellness-meets-weight-loss-1235025614/
  2. https://www.universitystar.com/opinions/opinion-diet-culture-enables-unhealthy-lifestyles/article_5748ff62-5f8e-11eb-b67c-ab4bc6bb085a.html
  3. https://www.theguardian.com/commentisfree/2022/jan/12/has-gen-z-killed-off-dieting-or-just-changed-its-name
  4. https://www.dailymail.co.uk/femail/food/article-10308713/Diet-sodas-rebranding-zero-sugar-appeal-health-conscious-Zoomers.html
  5. https://www.npr.org/2021/07/01/1012260233/pinterest-bans-all-weight-loss-ads
  6. https://www.fooddive.com/news/teenage-dream-young-consumers-spend-1000-hours-thinking-about-food/524721/

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