米国の食品業界でアジア食品が注目を集めている。アジアブランドが売れるためには？

近年、米国の食品市場は、より健康的で多様な製品を求めて成長・拡大しています[1]。それに伴い、健康に配慮されたお菓子やサプリメントの消費も増え、アジア風の食生活も注目を集めています [2]。そのような状況下において、アジア食品は、健康的で味わい深いものの一つとして、全米の食料品店で取り扱いが増加しています。今回は、米国最大級の小売店の一つであるコストコの例も参考に、アジア食品と販売ブランドの事情について、ご紹介します。

アジアのお菓子や食品はなぜ人気なのか

健康的なお菓子への需要が高まるにつれ、フレーバーポップコーンなどの製品が、チップスなどの伝統的なスナックと競合するようになってきています[3]。さらに、アメリカのスナック菓子よりも低カロリーであることから、スナック菓子を中心にアジアの菓子類の認知度が上がりました。そのため、海苔のお菓子[4]やポッキー、ハイチュウ[5]などの菓子類は、日常的に買われています。
そして、このアジア食品の増加は、スナックなどの菓子類だけでなく、冷凍食品、デザートなどにも見られます。前述したように、アメリカ人がアジア製品のような健康的な食品を意識するようになったことで、アメリカ製品よりも砂糖や塩分が少ない冷凍食品やアジアンデザートの需要が高まっているのです。餃子や餅アイスがコストコで人気が出てきているのは、その表れと言えるでしょう。

アジア食品ブランドの現状

以上のことから、アメリカの主流消費者の間で、アジア食品の需要が高まっていることがわかります。しかし、このようなニーズが増加する中、実は、アジア発の食品ブランドはあまり多くはありません。王マンドゥが有名な韓国のBibigo[6]のようなアジアブランドは販売量が多くなっていますが、それと同じくらい、競合するアメリカブランドもあります。

また、最近コストコでも人気の餅アイス[7]に関して、アジアの有名ブランドが多いのですが、コストコの場合、My MochiとBubbiesが主に売れています。この2つはいずれもアメリカ発のブランドで、コストコ以外の小売店でも広く認知されているようです。

アジア食品ブランドの製品が売れるためには認知度アップが重要

アメリカの食品業界では、アジア食品は徐々に人気を集めているものの、全米で見ると目立ったアジア食品ブランドがないため、アジア製品を展開アメリカ企業に成長のチャンスが大きいのが現状です。しかし、米国のメインストリーム市場に進出し、一度ブランドが確立されれば、まだアジア製品市場やアジアブランド同士の競合が少ないこともあり、一貫した成長が見込めるはずです。

まとめ

現在、アジア製品は冷凍食品やスナックなどの菓子類が人気ですが、焼き菓子や健康補助食品など他の食品についても、アメリカ人がアジア食品の健康的な側面を認識することで、関心が高まる可能性が高くなっています。まずは、各アジアブランドが、アメリカのメインストリームで存在感を示すことが重要となってくるでしょう。

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